Conference talk @ Sydney

シドニーの St Andrew’s Greek Orthodox Theological College で 2年ごとに開かれる St Andrew’s Patristic Symposium 2016 “John Chrysostom” (23-24 September) において、研究成果を発表しました。学会初日 (September 23) のセッションにおいて話した論文のタイトルは、つぎのとおりです。

  • Naoki Kamimura, ‘Deification and the Foundation of Spiritual Progress in John Chrysostom and Augustine,’ The Seventh St Andrew’s Patristic Symposium “Saint John Chrysostom”, St Andrew’s Greek Orthodox Theological College, Sydney, NSW: 23–24 September 2016.

St Andrews 2016
St Andrews 2016

この発表においては前回と同じく、東方教父のテクストを分析、検討した成果を発表しました。この発表を踏まえて、Theological College の雑誌 Phronema への投稿を準備したいと考えています。2回目の参加となったこの学会では、Keynote speaker として招かれた研究者との議論を通して、いままで取り組んできたテーマをさらに広い観点にもとづいて拡張する可能性に気づくことになりました。小規模の学会でしたので、友人たちとの交流を楽しみ、またざっくばらんな雰囲気のなかでの議論は大変ためになりました。つぎからつぎへとセッションを渡り歩くような大規模なファクトリーのような学会では新たな出会いがあってそれも刺激的ですが、テーマを絞った交流のなかで自分の考えている問いをさらに掘りさげるためには、このような小さな交わりのほうがよいのでしょう。

Conference talk @ St Petersburg

ロシア・サンクトペテルブルクのサンクトペテルブルク・ロシア国立航空宇宙装備技術大学で開かれた APECSS 第10回研究集会 (Conference Theme: Survival of Early Christian Traditions, from 9–11 September) において、研究成果を発表しました。学会2日目 (10 September) のセッション 6 において話した論文のタイトルは、以下の通りです。

  • N. Kamimura, ‘The Provisional Reception of Patristic Authors in 16th-Century Japan,’ APECSS 10th Annual Conference “Survival of Early Christian Traditions”, State University of Aerospace Instrumentation, St Petersburg, Russia: 9–11 September 2016.

APECSS 2016
APECSS 2016

パリを経由しての、はじめてのロシア訪問でした。サンクトペテルブルクの街はうつくしく、観光シーズンの最後の時期になっていたのですが、さほど寒くもなく、宿舎から大学への道程もまた街中の散策も快適でした。ただし、この街のドライバーは市内でも全力疾走で、それが驚きでした。
 学会開催に尽力した方々、とくに Basil と Xenia に感謝。カンファレンスディナーではすばらしいグルジアの料理を秘密の場所で、再会した Claudia, Jenna との会話を楽しみながら堪能しました。日本から参加した人々と入ったレストランでのお通しがウォッカだったのにはお国柄を感じました。
 肝心の発表においては、聞き手にとって文化的におそらく馴染みのない出来事について前提から説明をしながら、いかに論証を展開するのか、あたらしいタイプのトピックを扱ったので準備の段階から大変でしたが、刺激的な経験を積むことができました。

Conference talk @ Calgary

カナダ・アルバータ州のカルガリー大学で開かれた「カナダ教父学会」年次集会 (29-31 May) において、研究成果を発表しました。学会最終日 (May 31) Session 7 において、Prof. Lincoln Blumell の司会のもとで話した論文のタイトルは、つぎのとおりです。

  • N. Kamimura, ‘Augustine’s Friendship and the Shared Vision: The Correspondence between Augustine, Flavius Marcellinus, and Volusianus,’ Annual Meeting of the Canadian Society of Patristic Studies, University of Calgary, Calgary, Alberta: 29–31 May 2016.

CSPS 2016
CSPS 2016

学会直前に事務局からの連絡で、キャンパス内宿舎が州北部の大規模火災からの避難民に提供されるため、市内のホテルに移ってくださいということで、どうなるのかと思いましたが、至極快適なホテル滞在でした。思い返せばカナダに来るといつも大学内のドミトリーに泊まるので、市内を歩き回るのは数年ぶりでした。コンパクトなカルガリー市街はきれいなところでした。帰国前日にはいったチェーンではないコンビニエンスストアでは、10年以上前に日本に滞在していた店主と珍妙な問答を楽しみ、あとからはいってきたカナダ人から怪訝な目で見られました。
当の発表自体は、話しの筋についてもう少しインパクトを示す工夫が必要だと思いました。また、状況説明についてもうすこし明快な導入も必要でした。よって反省材料が多い発表でした。また、2009年といえば、いまから7年前になりますが、その年にフィラデルフィアの学会の同じセッションで発表した研究者と再会しました。博士号を取得したあとのキャリアに苦労しているようで、北米アカデミアの競争の激しさをあらためて思い知らされました。

Conference talk @ Chicago

アメリカ・シカゴの Hyatt Regency Chicago で開かれた NAPS において、研究成果を発表しました。学会二日目 (May 27) 夕方のセッション7C Landscapes: Context and Representation, III において発表した論文タイトルは、つぎのとおりです。

  • N. Kamimura, ‘Jerusalem and the Landscape of Sacred Geography in the Sermons of Augustine,’ North American Patristic Society 2016 Annual Meeting, Hyatt Regency Chicago, Chicago, Ill.: 26–28 May 2016

NAPS 2016
NAPS 2016

今回の発表では、申請予定のプロジェクトのテーマ (Utopia 論)を念頭におき、そのための準備作業として、アウグスティヌスの「説教」における utopia としてのイエルサレムについてアウグスティヌスが言及したテクストの分析をすすめました。発表後の質疑応答にとどまらず、その後の休憩時間での友人の紹介で知り合った研究者からのコメント (Mariology との連関) がこの学会での最大の成果でした。このテーマについては、継続して検討してゆく予定です。

Conference talk @ Brisbane

ブリスベンの Centre for Early Christian Studies: Australian Catholic University で二日間にわたって開かれた研究集会 Agency and Power in Early Christian Social and Church Issues (4-5 March 2016) において、研究代表者・分担者がそれぞれ研究成果を発表しました。研究集会の初日のセッションにおいて発表した論文のタイトルは、つぎの通りです。

  • N. Kamimura, ‘Deification and the Spiritual Progress in Chrysostom and Augustine’.
  • M. Sato, ‘Forma vivendi in the Fourth Book of Augustine’s De Doctrina Christiana‘.

CECS 2016
CECS 2016
この研究集会では,進行中のオーストラリアのプロジェクト Agency and Power in Early Christian Social Issues の進捗状況について説明を受けるとともに,2015年の研究成果に関するリストを呈示されました。あいかわらず活発な研究活動が続いていて、おおいに刺激を受けました。
 また、初日の発表後には、クリュソストモス研究をリードする研究者である Dr Wendy Mayer から、この発表について今後検討すべき問題についての示唆を受けるとともに、発表をめぐって有益な意見交換をすすめることができました。今回の研究発表は、今年9月に参加、研究発表を検討しているシドニーにおける教父学シンポジウムの前段階として、その一部を発表する予行演習としておこなったもので、9月までに検討すべき課題を明らかにできたという点で、非常に有意義でした。

Conference talk @ Oxford

英国オクスフォード大学にて開かれた XVII. International Conference on Patristic Studies (10-14 August 2015) において、研究成果を発表しました。Prof. Anthony Dupont と Prof. David Wilhite がオーガナイズし、Christ Church Blue Boar Exhibition にて、2日間にわたって行なわれたワークショップ ‘Out of Africa’: The Quest for North African Theological Identity(/-ies) in the Patristic Era において発表した論文のタイトルは、以下の通りです。

  • N. Kamimura, ‘Christian and Pagan Identities and Their Relationship with the Spiritual Training in the Letters of Augustine,’ Workshop ‘Out of Africa’: The Quest for North African Theological Identity(/-ies) in the Patristic Era, XVII. International Conference on Patristic Studies, Oxford: 10–14 August 2015.

ICPS 2015
ICPS 2015

オクスフォード学会への3回目の参加でした。今回は、APECSS Social Gathering において、Geoff と Wendy が中心に準備をすすめてきた Brill の叢書 Vigiliae Christianae 所収の論文集の Pauline へのお披露目がおこなわれ、みなが集まってお祝いをしました。今回滞在した宿舎は、St Edmund Hall、Examination School のほぼ真向かいにあるので移動に大変便利でした。とはいえ、滞在費・参加費をふくめてこの学会において発表するための費用はかなり高額になっており、若手の PD にとっては大変な状況になっています。

Conference talk @ Iowa

アイオワの University of Iowa で開かれた Shifting Frontiers in Late Antiquity XI において、研究成果を発表しました。研究集会の最終日 29 March において発表した論文のタイトルは、つぎのとおりです。

  • N. Kamimura, ‘Augustine’s Spiritualisation of Almsgiving and its Relation to the View of Society,’ Shifting Frontiers in Late Antiquity XI, University of Iowa, Iowa City, IA: 26–29 March 2015.

2015 SFLA
2015 SFLA

これまではもっぱら教父学、初期キリスト教研究を中心とする研究集会に参加してきましたが、はじめて北米での学際的な学会に参加し、歴史、文学をふくめさまざまな視点から交錯する発表を聞き、討論に参加する機会を得ることができました。今回は質疑応答に積極的に加わることの難しさも経験しました。哲学的な観点からすすめられる議論についてはコメントすることができても、それ以外の場面では自在に自分の意見を呈示することはできず、もどかしい思いを味わいました。とはいえ、この学会における討論は極めて刺激的であって、次回にはイエールで開催される研究集会への参加を(学会テーマ次第ですが)検討してみたいと思います。

Conference talk @ Brisbane

ブリスベンの Centre for Early Christian Studies: Australian Catholic University で開かれた研究集会 Agency and Power in Early Christian Social and Church Issues (6-7 March 2015) において、研究成果を発表しました。研究集会の初日のセッションにおいて発表した論文のタイトルは、つぎの通りです。

  • N. Kamimura, ‘Augustine’s Psychological Configuration of Almsgiving and its Correlation with the View of Society,’ Annual meeting of the Centre for Early Christian Studies ‘Agency and Power in Early Christian Social and Church Issues,’ Australian Catholic University, Brisbane, QLD: 6–7 March 2015.

ACU 2015
ACU 2015

研究集会の第2日目のセッション終了後には、Prof. Allen からの発表へのコメントと意見交換を通して、次年度に検討すべき課題について考察を深めることができました。また、今回の研究発表は、20日後に Iowa で行なう発表の予行演習でしたが、同時に2009年から3箇年で実施した科研プロジェクトの成果を再考するものでした。一旦は離れてしまった研究テーマでしたが、継続して考察する必要についてあらためて気づくことになりました。

Conference talk @ Sydney

シドニーの St Andrew’s Greek Orthodox Theological College で開かれた St Andrew’s Patristic Symposium 2014: From Alexandria to Cappadocia and Back Again (26-27 September) において、研究代表者が研究成果を発表しました。学会初日 (September 26) のセッションにおいて、Adam Cooper (John Paul II Institute for Marriage and Family) の司会のもとで話した論文のタイトルは、以下の通りです。

  • N. Kamimura, ‘Spiritual Itinerary of the Soul to God in Gregory of Nyssa and Augustine’, St Andrew’s Patristic Symposium 2014, St Andrew’s Greek Orthodox Theological College, Sydney, NSW: 26-27 September 2014.

この学会においてはじめて東方教父のテキストを分析、検討した成果を発表しました。この発表を踏まえて、Theological College の雑誌 Phronema への投稿を準備したいと考えています。また、次回 2016年の9月に開かれる研究集会の統一テーマがすでに personality and contributions of Saint John Chrysostom と決まっているので、その準備もすすめるつもりです。

この学会にははじめて参加したのですが、同じく初参加の台湾からの研究者との会期中の交流を通して、今後の研究交流の可能性が開けてきました。まずは、2015年に台湾の雑誌において特集を企画しているテーマへの投稿を依頼されたので、この研究プロジェクトに関係するテーマにて論文を執筆する予定です。また、日本の教父研究会と台湾の研究機関との相互交流についても、今後の課題として検討してみたいと思います。

Sydney 2014
Sydney 2014
Sydney 2014

学会が終了しフライトまで時間があったので、夕方までシドニー市街を散策しました。左の写真はそのときに撮ったものです。夕方になってキングスフォードスミス空港に向かい、カウンターに到着したところいつもとは違う様子に気づいて話を聞くと、日本国内で火山の噴火が発生したのでカンタスのフライトがすべてキャンセルになったということでした。御嶽での被害についてその時点では分からなかったのですが、市内のホテルがクリケットのイベントですべてふさがっているので急遽友人に連絡をいれ、一泊お世話になりました。翌朝フィッシュマーケットにて新鮮な牡蠣を堪能できたのはよかったのですが、よもや登山中にそれほどの悲劇が起こっているとは想像できませんでした。

Conference talk @ Yokohama

横浜の東洋英和女学院大学で開かれた「アジア環太平洋初期キリスト教学会」第9回研究集会 (4-6 September) において、研究代表者が研究成果を発表しました。学会三日目 (September 6) のセッション 6B Augustine II において、出村和彦教授(岡山大学)の司会のもとで話した論文のタイトルは、以下の通りです。

  • N. Kamimura, ‘Christian and/or Pagan Identities in the Sermons of Augustine’, Asia-Pacific Early Christian Studies Society 9th Conference, Toyo Eiwa University, Yokohama: 4–6 September 2014.

APECSS 2014
Kamakura 2014

2003年にオクスフォードで開かれた XIV. ICPS での集まりを機縁としてはじまったアジア環太平洋地域の初期キリスト教学、古代末期研究を専門とする研究者の相互交流も、今年で10周年を迎えるまでになりました。いまでは、メーリングリストに加わっている研究者もゆうに150人を超え、オーストラリアと日本の研究者を核にして、南アフリカ、アメリカ、ロシア、香港、韓国、フィリピンからの研究者のみならず、遠くドイツ、デンマーク、リトアニアやフィンランドからも研究集会へと人々が参加するまでに成長しました。

宿泊を中華街もよりの勧められていたホテルにとったところ、なぜか私以外はすべて海外勢。仙台 APECSS のときとおなじく、またもよく知らない街での会食案内、さいわい中華街をよく知る友人におすすめ場所(華都飯店)を急遽教えてもらってなんとかなった。学会が終った夜には友人と食事に行くことになって、Geoff に何か希望は、と尋ねると中華以外なら何でもよいとの返答、さすがに飽きたようで、和食の居酒屋で友人4人で盛りあがりました。

学会後には、はじめて日本にやって来て周遊していた Claudia 姉妹を自宅に招いて会食、その翌日は鎌倉まで足を伸ばしました。小町で昼食をとった時にとなりに居合わせた観光客と話がはずみ、どこから来たのか聞くとバルセロナからと答えたので、スペインですかと応じたら、一団が一緒になって「カタルーニャ!!!」と叫び、席をはずしていた Claudia と同じ問答をまた繰り返していました。まさに、独立投票の時期であったと思い出した次第。