GASR Report published.

2014年3月に、基盤研究C「アウグスティヌスにおける聖書解釈の理論と実践」の成果報告書を The Theory and Practice of the Scriptural Exegesis in Augustine: Research Report Grant-in-Aid for Scientific Research (C) 23520098 と題して、刊行しました:報告書目次

なお、科学研究費助成事業データベース「KAKEN」から検索可能なこの研究課題のページにおいても、電子報告書がアップロードされる予定です。

Seminar talk @ Brisbane

オーストラリア・ブリスベンのオーストラリアカトリック大学初期キリスト教研究センターにおいて開かれた研究所年次集会 Annual Meeting of the Centre for Early Christian Studies, Australian Catholic University において、研究代表者の上村が刊行した研究報告書について以下の発表を行なうとともに、海外研究協力者 Pauline Allen 教授、また集会に参加した研究所メンバーと意見の交換を行ないました。

  • N. Kamimura, ‘Funded Grant-in-Aid for Scientific Research (Kakenhi) Project: Scriptural Exegesis in Augustine’, Annual meeting of the Centre for Early Christian Studies, Australian Catholic University, Brisbane, QLD: 7-8 March 2014.

2日間にわたって開かれたミーティングでは,今年度から始まった科研費プロジェクトの概要についての短いペーパーを読みました。一方,オーストラリア側からは進行中の Religious Conflict プロジェクトの状況について報告されるとともに,新しくスタートすると告知されている Institute of Religion and Critical Enquiry について紹介されましたが、この体制の変更が現在活発に行なわれている研究所の活動に対してどれほど貢献するのか、疑念を持たざるをえませんでした。APECSS の活動については、2015 Tokyo, 2016 St Petersburg, 2017 Brisbane での開催予定が報告されました。

Conference talk @ Melbourne

オーストラリア・メルボルンの ACU St Patrick’s Campus で開かれた「初期キリスト教学会 Early Christian Centuries」第1回学会 (3-5 October 2013) において、研究代表者の上村、分担者の佐藤がそれぞれ研究を発表しました。学会初日 (October 3) の 1Bセッション “Patristic Exegesis on the Creation of Male and Female” において、Doru Costache博士の司会のもとで、佐藤が発表し、学会第2日 (October 4) の 4Bセッション “Hagiography: The Ascetic Life in Text” において、Malcolm Choat博士の司会のもとで、上村が発表を行ないました。それぞれの発表タイトルは、以下の通りです。

  • M. Sato, “The role of Eve in salvation in Augustine’s interpretation of Genesis chapter 2”.
  • N. Kamimura, “Augustine’s quest for perfection and the encounter with Vita Antonii”.

ECC 2013
ECC 2013
久しぶりのメルボルン訪問。今回は学会(これまでの名称 Prayer and Spirituality in the Early Church から変更)にさきだって、研究所のメンバーと相互にプロジェクトの進捗状況等について打ち合わせ、学会初日は、St. Paul’s Cathedral において、Mozart’s Requiem Concernt。カンファレンスディナーは、メルボルンクラブ、あいかわらず豪奢な雰囲気。旅程上出発までの時間があったのでスーツケースを引きずりながら Melbourne Zoo をたずねて、はじめて南半球固有の動物たちに会いました。
ECC 2013
ECC 2013
あまり陽気がよくなかったせいか、活動的な動物はミーアキャットのみで、カンガルーは横たわったまま。飼育されているわけではない、園内を歩いていたカモの親子連れの行列のヒナにちょっかいをだそうとした男の子が、なんどもトライ、さきに行っているお父さんにくりかえし呼び戻され、最後はカモの親にギャアと威嚇されると同時に、「クリスチャン!!!」と怒鳴られて、かわいそうな顛末。それから、はじめてクジャクが羽を広げているさまを後ろから眺めて、裏側の仕組みに納得。

FY 2012 GASR Outcomes

2012年度の研究実施状況報告書を提出したので、研究経過研究成果のセクションを更新する。
2012年度に基盤研究C「アウグスティヌスにおける聖書解釈の理論と実践」の成果として公刊した論考は次の通りです。

  • N. Kamimura, “La exegesis biblica de Agustin en ‘De Genesi ad litteram liber unus imperfectus’”, AVGVSTINVS Revista trimestral publicada por los Agustinos recoletos 57 (2012) 137–142.
  • N. Kamimura, “The Consultation of Sacred Books and the Mediator: the Sortes in Augustine”, Studia Patristica 54, accepted for publication.
  • 佐藤真基子「真理と人間──アウグスティヌス『「ガラテヤの信徒への手紙」注解』における」『慶應義塾大学言語文化研究所紀要』44(2013)87–103.

Conference talk @ Victoria

カナダ・ビクトリアのビクトリア大学で開かれた「カナダ教父学会 Canadian Society of Patristic Studies」年次集会において、研究代表者の上村が研究を発表しました。学会三日目 (June 5) の第9セッション Latin Fathers において、Dr. Ariane Magny の司会のもとで行なった発表のタイトルは、つぎのとおりです。

  • N. Kamimura, ‘Augustine’s understanding of the soul, the immortality, and the discipline in De immortalitate animae’, Annual meeting of the Canadian Society of Patristic Studies, University of Victoria, Victoria, BC: 4-6 June 2013.

CSPS 2013
CSPS 2013
今回はなぜか Canadian Congress の日程が後ろに移動、NAPS がおわってから10日空いてしまい、授業を3回続けて休講にするわけにもいかなかったので、NAPS 終了後いったん日本に戻って、再度カナダ西海岸に飛ぶという日程、友人との会話のあいだに hectic と言われて、呆れられました。バンクーバ到着後、ヴィクトリアにはフェリーで渡ってから大学到着、美しいキャンパスでした。短かったとはいえ、この大きさのフェリーに乗っての船旅ははじめての経験でした。

Conference talk @ Chicago

アメリカ・シカゴの Holiday Inn Mart Plaza で開かれた「北米教父学会」年次集会において、研究代表者の上村が研究を発表しました。学会二日目 (May 24) のセッション Speaking in tongues: the use of dramatis personae in the writings of the fathers において、Prof. Scot Douglass の司会のもとで行なった発表のタイトルは、以下の通りです。

  • N. Kamimura, ‘What Augustine Suggested: The Dramatis Personae of the Cassiacum Dialogues’, North American Patristic Society 22nd annual meeting, Holiday Inn Chicago Mart Plaza, Chicago, Ill.: 23-25 May 2013.

NAPS 2012
NAPS 2012

これまでに参加した NAPS での発表と今回の発表が異なるのは,特定のテーマによって組まれたセッションにはじめて参加したことです。NAPS の場合は,申し込みの段階でセッション・テーマと発表者まで決めて申請するパタンとテーマのみ決めて発表者を公募するパタンがあって,今回は後者のセッションに申し込み受理されました。自由に自分が論じたいテーマを決めて発表を申し込むのとちがって、テーマが制限されますが,こうした機会を活かして自分の問題関心を接続し拡大する手立てとして学会を利用するということも必要だろうと思った次第です。そうした刺激によって、固まりがちな自分の研究の枠組みを壊すためにも、今後もセッションに積極的に参加してみたいと考えています。

Conference talk @ Seoul

韓国・ソウルの Presbyterian College and Theological Seminary で開かれた「アジア太平洋初期キリスト教研究学会 Asia-Pacific Early Christian Studies Society」第7回学会において、研究代表者の上村、分担者の佐藤がそれぞれ研究を発表しました。学会二日目 (July 6) の第3セッション Augustine において、出村和彦教授の司会のもとで行なった発表のタイトルは、以下の通りです。

  • N. Kamimura, “Augustine’s Interpretation of a Passage from Romans in His Early Works”.
  • M. Sato, “The Word and our Words: Augustine’s Understanding of Christ as Divine Word”.

APECSS 2012
APECSS 2012
二回目の韓国訪問でした。はじめて当地で開かれる APECSS ということで招聘元がたいへんに力を入れて準備を整えてくれ、快適な学会でした。セッションの発表においては、日本からの若手の発表についてあらかじめサポートし、なんとかはじめての国際学会発表をおこなうことができ、一安心でした。エクスカージョンで訪れた国立博物館の収蔵品はすばらしいものでした。また、カンファレンスディナーでは、伝統の宮廷料理の一旦をうかがうことができ、文化の伝統に強い印象を受けました。

Conference talk @ Waterloo

カナダ・ウォータールーのウィルフレッド・ローリエ大学で開かれた「カナダ教父学会 Canadian Society of Patristic Studies」年次集会において、研究代表者の上村が研究を発表しました。学会初日 (May 29) の第1セッション Pauline Commentators において、Dr. Paul Smith の司会のもとで行なった発表のタイトルは、つぎのとおりです。

  • N. Kamimura, “Augustine’s Evolving Commentaries on the Pauline Epistles”.

CSPS 2012
CSPS 2012
NAPS に参加したのち、Pauline と彼女の親友の3人でレヴァニーズ料理の店で会食し、その翌日にカナダに向かいました。すでに CSPS では多くの知り合いができたので、濃密な時間を過ごすことができました。Congress の期間中は大学内宿舎に泊まることが通例になっていて、そのかわりに街中を散策するということはなく、かえってのんびりとした時間を過ごすことができるのは得難い経験です。

Conference talk @ Chicago

アメリカ・シカゴの Holiday Inn Mart Plaza で開かれた「北米教父学会」年次集会において、研究代表者の上村が研究を発表しました。学会二日目 (May 25) の Session 24: Augustine and the Augustinian Tradition において、Prof. Hubertus Drobner の司会のもとで行なった発表のタイトルは、つぎのとおりです。

  • N. Kamimura, “Spiritual Exercises in Augustine’s Later Works,” North American Patristic Society 21st annual meeting, Holiday Inn Chicago Mart Plaza, Chicago, IL, USA: 24–26 May 2012.

NAPS 2012
NAPS 2012

FY 2011 GASR Outcomes

2011年度に基盤研究C「アウグスティヌスにおける聖書解釈の理論と実践」の成果として公刊した論考は次の通りです。

  • N. Kamimura, “Friendship and Shared Reading Experiences in Augustine”, Patristica, supplementary volume 3 (Tokyo: Japanese Society for Patristics Studies, 2011) 69–83.
  • 佐藤真基子「アウグスティヌス『告白』第10巻における自己欺瞞の理解」『中世思想研究』53(中世哲学会, 2011)59–75.