Workshop @ Weobley, Herefordshire

2018年3月末からイースターにかけて英国滞在、ウェールズにちかい田園の古民家に滞在、ワークショップに参加するという貴重な機会を提供された。ワークショップに先立って Corpus Christi College に滞在、翌日アンナの運転で Weobley の民家を目指して移動、夕刻民家に到着。その日から3泊してワークショップ、アウグスティヌスの『秩序について』De ordine について、5人で集中討議を午前と午後の部に分けて行なった。また、2日目の午後には、つぎのタイトルで簡単な発表を行なった。

  • N. Kamimura, “Augustine’s De ordine Revisited,” An interdisciplinary 4-day workshop on the theme “Augustine’s De Ordine: Philosophical, Historical and Theological Perspectives,” organised by Dr Anna Marmodoro, The Throne, Weobley, Herefordshire, England UK, 26–29 March 2018

2018 Workshop
2018 Workshop
Corpus Christi のなかの部屋は快適でしたが、ワークショップ終了後に滞在した Beam Hall のほうは ensuite でなく、だいぶ古めかしいものでした。部屋のなかで作業に集中しているぶんには問題ないのですが、資料調査の期間ぐらいが妥当なのでしょう。
2018 Workshop
2018 Workshop
イングランドの田舎に滞在するという経験はまたとないものでした。古民家は床がぎしぎしと音を立て、大ぶりの材木で組まれた居室は趣にあふれ、夕刻になるとおとずれた食堂ではビールとラムを堪能。3月下旬だったのでまだ肌寒さをおぼえ、暖炉ではひたすら薪を燃やしつづけながら、アウグスティヌスのテクストについて議論をするとは、まさにカッシキアクムを追体験するようにも思えました。最後の夜にはみなでニールが持参したボードゲームに興じました。
2018 Workshop
2018 Workshop
早朝の散策で訪れた Woebley の村外れの古い教会も静謐ななか素敵なたたずまいでしたが、オクスフォードにもどるにあたって立ち寄った Herefordshire Cathedral Library や、Roman villa もすばらしいものでした。ヘレフォード大聖堂の図書室では、はじめて鎖につながれて棚に並んだ古刊本を見学し、アウグスティヌスの Amerbach edition を発見しました。また、大聖堂の Mappa Mundi も詳細に眺めました。さらに、発掘された Roman villa では、カッシキアクムに参加した人々が集った浴場の実態がどのようなものだったのか、それを彷彿とさせる発掘跡を見学し、水利施設をふくめ当時の技術をじっくりと鑑賞しました。イースターのさなかのオクスフォードでは、一日教会の鐘が鳴り響いていました。

Conference talk @ Canterbury UK

英国カンタベリーの大聖堂隣接のカンタベリー・カテドラル・ロッジにおいて開かれた国際研究集会 Ancient Thought from a Global Perspective: Human Freedom and Dignity (26-28 February) において、研究成果を発表しました。学会最終日のセッションにおいて話した論文のタイトルは、つぎのとおりです。

  • N. Kamimura, ‘The reception and (dis-)assimilation of patristic literature in early modern Japan,’ International Conference ‘Ancient Thought from a Global Perspective: Human Freedom and Dignity’, Canterbury Cathedral Lodge, Canterbury, UK: 25 February–1 March 2017.

Canterbury 2017
Canterbury 2017
学会オーガナイザの Prof. Karla Pollmann の招待によって、カンタベリー大聖堂のすぐ南にあるロッジで開かれた研究集会、あわせて学会前日に開かれた Post-Doctoral Fellow 主体のセミナーに参加し、また小規模のあつまりであったこともあり、濃密な議論の空間を享受することができました。EU ベースのプロジェクトに参加した人々は、英国、デンマーク、ロシア、ドイツ、イタリア、スペイン、ブラジル、チェコ、ハンガリー、日本、と多国籍で、今日のヨーロッパを中心とした人文学の交流の一端を覗くことができました。
Canterbury 2017
Canterbury 2017
初日午前に近くのアウグスティヌス修道院跡を訪ねることができたのも幸運でした。ハイシーズンでなかったので、土日しか空いてないということでした。2日目午後には、大聖堂のアーカイヴと図書館に案内されて、アルキヴィストの Mrs Cressida Williams による特別講義を受けました。古刊本修復の現場に立ち合って、この地において「雁皮」という言葉が発せられる場面に出くわしたのは一興でした。
発表した論文について刊行予定の論文集への投稿を誘われたのはよかったですが、なによりも議論のなかで今後検討すべき課題について有益な示唆を受けとることができたのがこの学会参加の収穫であったと言えるでしょう。

Conference talk @ Oxford

英国オクスフォード大学にて開かれた XVII. International Conference on Patristic Studies (10-14 August 2015) において、研究成果を発表しました。Prof. Anthony Dupont と Prof. David Wilhite がオーガナイズし、Christ Church Blue Boar Exhibition にて、2日間にわたって行なわれたワークショップ ‘Out of Africa’: The Quest for North African Theological Identity(/-ies) in the Patristic Era において発表した論文のタイトルは、以下の通りです。

  • N. Kamimura, ‘Christian and Pagan Identities and Their Relationship with the Spiritual Training in the Letters of Augustine,’ Workshop ‘Out of Africa’: The Quest for North African Theological Identity(/-ies) in the Patristic Era, XVII. International Conference on Patristic Studies, Oxford: 10–14 August 2015.

ICPS 2015
ICPS 2015

オクスフォード学会への3回目の参加でした。今回は、APECSS Social Gathering において、Geoff と Wendy が中心に準備をすすめてきた Brill の叢書 Vigiliae Christianae 所収の論文集の Pauline へのお披露目がおこなわれ、みなが集まってお祝いをしました。今回滞在した宿舎は、St Edmund Hall、Examination School のほぼ真向かいにあるので移動に大変便利でした。とはいえ、滞在費・参加費をふくめてこの学会において発表するための費用はかなり高額になっており、若手の PD にとっては大変な状況になっています。

Conference talk @ Oxford ICSP

英国オックスフォードのオックスフォード大学で開かれた「第16回国際教父学研究集会 16th International Conference of Patristic Studies」において、研究代表者として研究発表を行ないました。学会初日の午前 (Aug 9) に、Prof. Karla Pollmann の司会のもとで行なった発表のタイトルは、つぎのとおりです。

  • N. Kamimura, ‘The Significance of the Sortes in Augustine’, 16th International Conference on Patristic Studies, Oxford University, Oxford: 8-12 August 2011.

ICPS 2011
ICPS 2011
前回に引き続いて参加した ICPS では、おなじく Christ Church に宿泊しましたが、場所は違って Meadow Building でした。古めかしい尖塔の3階、広さは2部屋もあって十分でしたが、部屋の床が緩やかに傾いていました。APECSS の Social Gathering が学会の最中にひらかれて、皆と旧交を暖めたのもよい想い出になりました。
肝心の発表は、論の焦点を上手く絞ることができたので質問も出てきましたし、テーマである sortes についてすでにこの領域の先達である Prof. William Klingshirn が発表の場にいて、発表後に質問を受け、また議論をおこなうことができました。

Conference talk @ Leeds

英国リーズのリーズ大学 Weetwood Hall で開かれた「第18回国際中世会議 IMC」において、研究分担者として発表をおこないました。学会2日目朝 (July 12) のセッション 517: Poverty and Wealth in Late Antique Christianity, I において、Prof. John Martyn の司会のもとで行なった発表のタイトルは、つぎのとおり:

  • N. Kamimura, ‘Augustine’s Spiritualisation of the Poor in an Era of Crisis’, 18th International Medieval Congress, Weetwood Hall, The University of Leeds, Leeds: 10-14 July 2011.

中世関連では、米国の通称カラマズーとならぶ巨大学会である IMC にはじめて参加しました。大会の組織運営は効率良く、学会内でのイベント諸々を楽しむことができました。また、日本からの参加者との交流もあって、福井からお出でになった岩熊氏とは、夕方芝生の上で談笑しながら、ビールを楽しみました。別の日にはギリシャからの参加者 Fotis とも意気投合し、夜遅くまで建物のなかのビリヤードルームで延々とビールを飲みながら議論しました。
Leeds 2011
Leeds 2011
Leeds 2011
昨今の大学改革の波は、英国でも変わりなく、リーズのこの美しい郊外のキャンパスも再来年には閉めてしまうそうで、その後の IMC は市内のキャンパスで開かれることがすでに決まっているとのこと、アクセスは良くなるのでしょうが、自然豊かな環境のなかでの交流の機会が失われてしまうのは残念です。

Conference talk @ Oxford

オクスフォードで4年に1回開かれている「国際教父学会」第15回研究集会に参加、巨大な学会をはじめて経験する。
Oxford 2007
Oxford 2007
話には聞いていたが、宿舎は Christ Church のなかの Peckwater Quad、食事はハリー・ポッターのロケーションにも使われたという食堂で、学会期間中はプログラムの合間をぬって街中を歩きまわって観光、という大変刺激的な1週間をすごした。

  • N. Kamimura, ‘Augustine’s Scriptural Exegesis in De genesi ad litteram imperfectus liber’, 15th International Conference on Patristic Studies, Oxford University, Oxford: 6-11 August 2007.

発表は、質問も含めて時間が20分きっちりに制限されていたので、論点を絞りこまないとならず窮屈だったけれども、さいわいなことに司会者の Prof. Karla Pollmann が親切で、発表が終ったあとにもすこし議論することができた。Examination School で同時に何十ものセッションが並行して進むなか、いろいろなセッションに出て質問も少しはできたし、部屋から部屋へとめぐって多くの人と話し合ったのは有意義だったのは間違いないが、学会最終日に近づくにつれ、疲労がたまってきたのは致し方なし。
学会中日に WPRPS のメンバーがあつまってパブで親交を深める機会があったのも、また初日は Christ Church うらでガーデン・パーティがあったのも非日常的な経験。