Conference talk @ Melbourne

オーストラリア・メルボルンのオーストラリアカトリック大学で開かれた Prayer and Spirituality in the Early Church 第6回国際学会において、科研費の成果を代表者・分担者それぞれが発表しました。学会第二日 (July 9) の午前のセッション Political Theology において、分担者の上村は、Dr. Mary Sheather の司会のもとで、つぎの発表を行ないました。

  • N. Kamimura, ‘The exercitatio animi (or exercitatio mentis) of Augustine in the City of God’.

つづく午後のセッション North Africa/Augustine において、代表者の出村は、Prof. Raymond Canning の司会のもとで、つぎの発表を行ないました

  • K. Demura, ‘Politics of Dedicating a Book: A Case of Augustine to Flavius Marcellinus and Manlius Theodorus’.

3回目のメルボルン訪問。今回は、旧市街の東エリア Little Collins に宿をとったので、大学までは歩いて通える距離で、ちかくには中華街もありました。カンファレンスディナーがとくに印象的、メルボルン・クラブという昔のゴールドラッシュの所産ともいうべき立派な会員制クラブでひらかれました。今回から参加した Claudia と親しくなり、会話もはずみました。

Seminar talk @ Brisbane

Prayer and Spirituality in the Early Church 第6回国際学会にさきだって ACU Centre for Early Christian Studies において開かれた annual meeting に参加,継続中の科研費「転換期における「貧困」に関するアウグスティヌスの洞察と実践の研究」についての短い報告を行ないました。

  • N. Kamimura, ‘Research Report: Augustine’s Understanding and the Practice of Poverty in an Era of Crisis’, Annual Meeting of the Centre for Early Christian Studies, Australian Catholic University, Melbourne, VIC, 7 July 2010.

ミーティングでは,センターの2003年以降の研究活動の実績(論文公刊の点数とその評価など)が報告されるとともに、APECSS の2011年以降の予定について,現在確定済みのスケジュールが紹介されました。

Conference talk @ Montreal

カナダ・モントリオールのコンコルディア大学で開かれた「カナダ教父学会」年次集会において、研究分担者として発表をおこないまいした。学会初日午前 (May 30) のセッション 2: Augustine において行なった発表のタイトルは、つぎのとおりです。

  • N. Kamimura, ‘Spiritual Exercises in the Sermons of Augustine’, Annual meeting of the Canadian Society of Patristic Studies, Concordia University, Montréal, Qué.: 30 May-1 June 2010.

はじめて NAPS に参加した後はシカゴから移動して、これまたはじめての CSPS における発表。とはいえ、すでに APECSS やオーストラリアで旧知の人々も参加しており、諸々議論。アウグスティヌス研究者として著名な研究者ともはじめて実際に会い、交流をすすめることができたのはよい経験になりました。NAPS とはちがってコンパクトサイズの学会、ただし、CSPS 自体がカナダの人文社会系の学会があつまった Congress のもとでひらかれるため、お祭りのような感じでした。友人がテディ・ベアのぬいぐるみを買うのにつき合って,街を散策。何でも,学会でおとずれるたびに世界各地のテディ・ベアをもとめているそうで,頻繁に海外で発表しているので,かなりのコレクションになっているのでは。学会がおわってからは、Charles, Pamela, Bronwen, Geoff と一緒にレストランで会食、歓談、これもまたよい想い出になるでしょう。

Conference talk @ Chicago

アメリカ・シカゴの Holiday Inn Mart Plaza で開かれた「北米教父学会」年次集会において、研究分担者として発表しました。学会二日目朝 (May 28) のセッション26: Early Augustine において、Prof. Michael Slusser の司会のもとで行なった発表のタイトルは、つぎのとおり。

  • N. Kamimura, ‘The Evolving View of the “religion” in Augustine’s Early Works’, North American Patristic Society 20th annual meeting, Holiday Inn Chicago Mart Plaza, Chicago, Ill.: 27-29 May 2010.

はじめて北米の NAPS に参加しました。オクスフォードを除けば、この領域ではもっとも規模の大きな学会です。この学会を通して、今後も交流を活発にできればと願っています。はじめて利用したオヘア空港はともかく巨大、市内へのアクセスも簡単で、学会のあいだはホテルに缶詰めになる典型的なタイプの Conference と言えましょう。

Conference talk @ Seoul

韓国ソウルの Presbyterian College and Theological Seminary で開かれた「第1回韓国教父学会国際研究集会」において、科研プロジェクトに関連して、研究を発表しました。学会初日 (March 19) の夜のセッション Early Church I: Ambrose and Augustine において、Dr. Sung Chul GONG (Daejeon Theological Seminary) の司会のもとで行なった発表のタイトルは、以下の通りです。

  • At the the First international conference of the Patristic Society in Korea, in conjunction with the annual joint conference of the Korea Church History Society and the Korea Historical-Theological Society, Presbyterian College and Theological Seminary, Seoul: 19–20 March 2010:
  • K. Demura, ‘Christian Ethics of St. Augustine on Poverty’.
  • N. Kamimura, ‘The Use of the Poor and Poverty in Augustine’s City of God’.

はじめてお隣の国を訪問、ハングルはまったく読めないままでしたが、羽田から金浦、さらに市内へのアクセスは良好でした。発表のまえに日本を経由する Pauline と土橋夫妻を自宅に招いて会食、そのあとソウルへと向かったのですが、当日のプログラムの遅れで発表時間が削られてしまったのは残念でした。発表とプロジェクトにかかわる重要な論点 (Cf. J. Burnaby, Amor Dei) を発表後に Pauline と論じ、その点で大きな収穫があったのはさいわいでした。

FY 2009 GASR Outcomes

2009年度に科学研究費補助金・基盤研究 C「転換期における「貧困」に関するアウグスティヌスの洞察と実践の研究 Augustine’s Understanding and Practice of Poverty in an Era of Crisis」の成果として公刊した論考は以下の通り:

  • K. Demura, ‘Poverty in Augustine’s Understanding of his Monastic Life’, Prayer and Spirituality in the Early Church, vol. 5 (Strathfield 2009) 299–306.
  • N. Kamimura, ‘The Emergence of Poverty and the Poor in Augustine’s Early Works’, Prayer and Spirituality in the Early Church, vol. 5 (Strathfield 2009) 283–298.

APECSS Newsletter

2003年オクスフォードの 14th ICPS をきっかけにはじまった Western Pacific Rim Patristics Society (WPRPS) は、通例の学会とはことなり、会員同士の個人的なつながりをベースにしていて、翌年2004年から年1回の学会を開くようになったが、会員同士の交流のベースとして e-Newsletter を会員メーリングリスト向けに流す試みもつづけてきた。当初は、オーストラリアの Dr Bronwen Neil が編集を担当していたのだが、この2009年11月から私も編集に加わることになり、年2回の発行を目指すことになった。情報を集めるのに少々手間がかかるとはいえ、重要な媒体として Newsletter 編集に力を注いでいきたいと思う。

Conference talk @ Radnor

2ヶ月続きで学会発表、ヴィラノヴァ大学カンファレンス・センターで開かれた第34回「国際教父・中世・ルネサンス学会」に2年ぶりに参加するため、フィラデルフィアへの旅。前回の反省を踏まえ、空港からタクシーを使って宿舎に直行。科研分担者として、Prof. Allan Fitzgerald の司会のもとで学会2日目 (October 17) におこなった発表タイトルはつぎのとおり:

  • N. Kamimura, ‘Christianae vitae otium in Augustine’s De academicis’, 34th International Patristic, Medieval, and Renaissance Studies conference, Villanova Conference Center, Radnor, Pa.: 16-18 October 2009.

むかし読んだ G. Folliet の deificari in otio 論文に触発され、初期著作における問題の展開を検討するためにまずは Contra Academicos から考察した成果を発表した。その問題とは、人間の完成というギリシア・ローマにおいて一貫して古代人が問うことになった課題を、閑暇の思想という観点から考えるだけでなく、deification–divination という東西のキリスト教の相違の一つにつながるテーマから検討することだと考えている。
国際学会にも慣れてきたこともあって、前回よりは諸々参加者とコミュニケーションが成立。セッションで一緒になった若手のポスドクから北米の研究事情についてはなしを聞くことができた。熱心に聞きいって質問したりしたのだが、一方でここヴィラノヴァを普通のアメリカと思うのは間違いともいわれたのは、たしかにその通り。

Conference talk @ Sendai

仙台の東北学院大学土樋キャンパスで開かれた「アジア環太平洋初期キリスト教学会 (APECSS)」の第5回国際研究集会 (10-12 September 2009) において、科研プロジェクトに関する成果を発表しました。学会初日 (September 10) の第一セッション Augustine において、Dr. Geoffrey D. Dunn の司会のもとで行なった発表のタイトルは、つぎのとおり:

  • Kazuhiko Demura, ‘On the Context and Development of Augustine’s Early Commentaries on the Pauline Letters’.
  • Naoki Kamimura, ‘Spiritual Exercises in the Letters of Augustine’.

APECSS 2009
今年度は申請していた科研費プロジェクトが無事採択され、研究分担者としてはじめての出張。発表では、博論段階から気になっていたテーマを、これまでまとまって読んだことのないアウグスティヌスの書簡を取りあげて検討する。
宿泊したホテルが海外勢のとなりだったので夕刻訪ねたところ、なぜか不案内の仙台の街中で食事の場所を捜すはめに。一方、カンファレンスディナーのあとでオーストラリア勢を引き連れていった日本側の先生は、彼らを「なまはげバー」なる場所に案内し、翌日興奮した彼らから説明を聞くことに。

Public Lecture @ Okayama

2008年から参加した「二国間交流事業・転換期における「貧困」に対する取り組みの共同研究──初期キリスト教をモデルにして」の成果発表として岡山大学において開かれた公開講演会「後期ローマ帝国における貧困と危機」において、Prof. Allen が岡山大学に来日するのにアテンドして東京駅で待ち合わせ,羽田から岡山まで空路をともにした。あらかじめ送られた原稿の邦訳を作成し,当日の公開講演会「後期ローマ帝国における貧困と危機」において読みあげられた英語原稿につづいて,参加した人々にむけて邦訳を読みあげた講演題目はつぎのとおり:

  • P. Allen, ‘Crisis Management in Late Antiquity: The Evidence of Episcopal Letters’ 「古代末期におけるキリスト教司教たちの危機マネジメント──司教書簡に見るその実例」

用意した邦訳を読むだけなので,さほど緊張しなかった。むしろ当日の質疑応答の司会と通訳をつとめられた一橋の戸田氏のほうが大変だったと思う。岡山にむかう飛行機のなかで邦訳について疑問の箇所を Prof. Allen に質問する機会があったのは助かったのだが,搭乗するまえに、これがはじめての domestic flight だと彼女に言ったところ、あきれていた。たしかに、オーストラリア人にとっては信じがたいかもしれない。講演会万端をとりしきってくださった出村教授には,会の終了後みなが自宅に招待され,手づくりのちらし寿司をふるまってくださり感謝。