シカゴで開かれた NAPS から一旦成田にもどり、ブリュッセルへのフライト後にルーヴァンへ移動。参加した国際学会 ‘Ocularism and the Metaphysics of Light’ において研究成果を発表しました。論文タイトルは、つぎのとおりです。
- N. Kamimura, ‘Tertullian and the Beginning of the Metaphysics of Light in North African Christianity,’ International Conference ‘Ocularism and the Metaphysics of Light: Metaphors of Light and Vision across Time and Context,’ University of Leuven, Belgium: 31 May–3 June 2017.
これまでヨーロッパ大陸へはトランジットの関係で何回か CDG に立ち寄りましたが、はじめての訪問でした。NAPS で知り合った Matthew のオーガナイズする学会ということで申し込み、KUL の神学部内 Romero Room という部屋で開かれた学会でした。発表の後のディスカッションでは、キリスト論との関係、また古代の認識論との関係という難しい質問を受けて、あらためてこの問題に取り組む困難さを思い知らされました。Matthew とは発表後にこのプロジェクトの公刊見通しにかんして説明を受け、論文の改稿について見通しを立てることになりました。
この学会は当初のもくろみから外れて、4日間の国際学会から1日だけの学会へとダウンサイズしてしまいました。それ自体残念だったのですが、それにもかかわらず参加すると表明したところ、Matthew や Prof. Anthony Dupont が大変に気を遣ってくれて、のこりの滞在期間に神学部図書館でデータベースにアクセスして、論文・資料調査を行ないたいというこちらの希望をかなえてくれたばかりか、時間を割いてランチに付き合ってくれたり、Matthew はベギン会大修道院を半日案内してくれました。Anthony によれば、大学は試験期間中で学生は大半帰省しているとのことでしたが、それもあってすこし閑散とした趣のある街中を歩き回ったのはよい経験でした。駅前にとったホテルから少し歩いたところにあった Peeters の本屋では、言われてみれば当然ですが、さほど広くない空間に初期キリスト教、教父学、聖書学の書物が棚に並んで、店内がすべてこういった書物で充満していることに驚きました。