Public Lecture @ Okayama

2008年から参加した「二国間交流事業・転換期における「貧困」に対する取り組みの共同研究──初期キリスト教をモデルにして」の成果発表として岡山大学において開かれた公開講演会「後期ローマ帝国における貧困と危機」において、Prof. Allen が岡山大学に来日するのにアテンドして東京駅で待ち合わせ,羽田から岡山まで空路をともにした。あらかじめ送られた原稿の邦訳を作成し,当日の公開講演会「後期ローマ帝国における貧困と危機」において読みあげられた英語原稿につづいて,参加した人々にむけて邦訳を読みあげた講演題目はつぎのとおり:

  • P. Allen, ‘Crisis Management in Late Antiquity: The Evidence of Episcopal Letters’ 「古代末期におけるキリスト教司教たちの危機マネジメント──司教書簡に見るその実例」

用意した邦訳を読むだけなので,さほど緊張しなかった。むしろ当日の質疑応答の司会と通訳をつとめられた一橋の戸田氏のほうが大変だったと思う。岡山にむかう飛行機のなかで邦訳について疑問の箇所を Prof. Allen に質問する機会があったのは助かったのだが,搭乗するまえに、これがはじめての domestic flight だと彼女に言ったところ、あきれていた。たしかに、オーストラリア人にとっては信じがたいかもしれない。講演会万端をとりしきってくださった出村教授には,会の終了後みなが自宅に招待され,手づくりのちらし寿司をふるまってくださり感謝。

Seminar talk @ Brisbane

2009年は、ブリスベンのセンター CECS における共同セミナーから海外研究発表が始まる。申請した科研プロジェクト、またセンターとの共同プロジェクトとの関連で発表した題目はつぎのとおり。

  • N. Kamimura, ‘Rhetorical Approach to the Poor and Poverty in Augustine’s Enarrationes in Psalmos’, Annual meeting of the Centre for Early Christian Studies, Australian Catholic University, Brisbane, QLD: 30-31 January 2009.

Brisbane 2009
このミーティングでは、これまでの学会の名前 Western Pacific Rim Patristics Society を、Asia-Pacific Early Christian Studies Society = APECSS へ変更することがアナウンスされた。これで略称を呼びやすくなる。また、今年 (2009) 9月の APECSS は仙台でひらかれること、さらに来年は韓国でのミーティングも計画。

Conference talk @ Brisbane

1月についで、オーストラリアの学会 Australian Early Medieval Association に参加、研究発表をおこなうとともに、ブリスベン在住の友人と交流。

  • N. Kamimura, ‘Peregrinatio animi and the peregrinus Image in the Letters of Augustine’, Australian Early Medieval Association fifth annual conference, Sebel Conference Suites, Brisbane, QLD: 1-3 October 2008.

発表については、専門領域の研究者が少なかったとはいえ、Prof. Allen からコメントをもらい、また論文の投稿先について有益な助言をうけることができたのは幸い。学会に参加しつづけることで、知己がふえてくることもまた肝要だと納得。
Brisbane 2008
Brisbane 2008
Brisbane 2008
今回は日程上盛りだくさんで、学会にさきだって ACU の研究所を訪問、図書館で資料調査を行なうよう便宜を図ってもらうとともに、豪・韓・日の共同研究プロジェクトのミーティングに参加して今後の方針について意見交換を行なうとともに,短いペーパーを読み上げた。これは、2008年4月から中途参加している「二国間交流事業・転換期における「貧困」に対する取り組みの共同研究──初期キリスト教をモデルにして」と、申請中の科研費プロジェクトに関連するため。学会参加後は Pauline の自宅に招かれて会食、歓談。

Conference talk @ Hiroo, Tokyo

教父研究会で告知された「環太平洋西岸教父学会」第1回国際研究集会 Western Pacific Rim Patristic Society Inaugural Conference が、国際学会にもかかわらず、さいわいに国内開催だったので参加申し込み,右も左も分からないなか国際学会にはじめて参加する。
いまだ検討中だったが、論の骨格がある程度できあがっていたので、また学会テーマ Patristic Exegesis and Hermeneutics にあわせて、De genesi contra Manichaeos を中心に論ずるテーマで発表:

  • N. Kamimura, ‘Augustine’s First Exegesis and the Divisions of Spiritual Life’, Western Pacific Rim Patristic Society Inaugural Conference, University of the Sacred Heart, Tokyo: 25–26 September 2004.

はじめての経験ばかりで質疑応答に苦労、学会のあいだのコミュニケーションにも四苦八苦の状態。とはいえ、時間をかけて準備したので、発表自体はまあ上手くいったと思う。学会後の Cultural excursion で Prof. Kannengiesser やオーストラリアからの参加者とともに歌舞伎鑑賞の機会をもてたのはよい想い出。
追記:はじめて会った参加者 (Dr. Bronwen Neil) から発表後にさそわれ雑誌の投稿に挑戦し、僥倖だったといえようか、投稿した論文が掲載されることになった。その後の査読者 (Prof. Allan Fitzgerald) による懇切丁寧な指示のもと徹底的に論述を見直すとともに、英語表現について赤を一杯いれられたのは貴重な経験になった。