一年ぶりに京都に出かけて,京大中世哲学研究会(第185回)において、研究発表を行ないました。発表タイトルはつぎのとおり:
- 上村直樹「アウグスティヌス『魂の不滅について』における魂不死の論証の意義」
アウグスティヌス自身が理解しがたいと評している『魂の不滅について』における魂不死の論証の妥当性について,先行研究を踏まえたうえで検証するとともに,魂不死の論拠としてアウグスティヌスが考えている真理と学知の同一性という観点が古代哲学史の流れのどこに棹さすかを検討しました。発表後の議論を通して,先行研究を十分に咀嚼することの難しさをあらためて確認するとともに,アウグスティヌスの初期以降の「魂論」の展開も考察しなければならないという新たな課題が出てきたように思います。
この研究会では大変ありがたいことに,遠隔地からの参加者への旅費の補助を出していただけることになって助かりました。即決してくださった幹事に深謝。こういった補助が他の研究会でも広まってゆけばと思います。