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Seminar talk @ Brisbane

オーストラリア・ブリスベンのオーストラリアカトリック大学初期キリスト教研究センターにおいて開かれた研究所年次集会 Annual Meeting of the Centre for Early Christian Studies, Australian Catholic University において、研究代表者の上村が今年度 (2011) からはじまった科研費プロジェクト「アウグスティヌスにおける聖書解釈の理論と実践」の詳細を説明する以下の発表を行なうとともに、海外研究協力者 Pauline Allen 教授、また集会に参加した研究所メンバーと意見の交換を行ないました。

  • N. Kamimura, “Augustine’s Early Commentaries on the Pauline’s Epistles: Outline of the 2011-2013 Grants-in-Aid for Scientific Research Project”, Australian Catholic University, Brisbane, QLD: 2 March 2012.

ACU はオーストラリア国内にキャンパスが分散しているので,このミーティングは毎年1回の顔合わせの意味もあって,今回は16名(国外はアメリカと日本から計3名)が参加し,現在取り組んでいるプロジェクトについて報告がおこなわれました。また、進行中の研究協力、APECSS の活動状況,Prayer and Spirituality (The Early Christian Centuries conference, after 2013) の計画についてもレポートが読み上げられました。

GASR Research Report published.

2012年2月に、科研費研究の成果報告書を『転換期における「貧困」に関するアウグスティヌスの洞察と実践の研究』と題して、二分冊で刊行しました:報告書目次; 報告書別冊目次

なお、科学研究費助成事業データベース「KAKEN」から検索されるこの研究課題のページにおいても、電子報告書がアップロードされる予定です。

Conference talk @ Melbourne

2012年最初の研究発表は、メルボルンを訪問し、はじめて参加した Australasian Society for Classical Studies Conference においておこないました。今回は、これまでの研究領域から時代をさかのぼって、テルトゥリアヌスにおける Exercitatio animi について検討を試みました。発表のタイトルは、つぎのとおりです。

  • N. Kamimura, ‘Training for Christian Identity: Spiritual Exercises in Tertullian’, 33rd Australasian Society for Classical Studies conference, Hellenic Museum, Melbourne, VIC: 6-9 February 2012.

国内もふくめて古典学会への参加ははじめてでしたが、哲・史・文という三つの領域に分かれる発表のなかに宗教関連の発表がほとんどなく、時代的にもいわゆる古典期に限定されている日本の学会とはっきりと違うのは,古代末期,また、キリスト教に関連するテーマが扱われていることで、6世紀にいたる時代もまた Late Antiquity としてセッションが組まれたりすることです。日本であれば,今回私が取りあげた主題は、キリスト教学系や宗教学会でなければ、発表されることはないのでは。旧知の友人も多く参加し、メルボルン市内を散策して、有意義な一時を過ごすことができました。

Conference talk @ Fukuoka

九州福岡市の西南学院大学で開かれた「中世哲学会」において、研究分担者の佐藤が研究を発表しました。学会初日 (November 5) に行なった発表のタイトルは、以下の通りです。

  • 佐藤真基子「言葉と救い─アウグスティヌスにおけるキリスト理解の形成についての考察─」

Conference talk @ Oxford ICPS

英国オクスフォードのオクスフォード大学で開かれた「第16回国際教父学研究集会」において、研究代表者の出村がプレナリー・レクチャーを行ないました。学会五日目の午後 (Aug 12) に、Dr. Neil McLynn の司会のもとで行なわれたレクチャーのタイトルは、つぎのとおりです。

  • K. Demura, “The Concept of Heart in Augustine of Hippo: its Emergence and Development”.

Conference talk @ Oxford ICSP

英国オックスフォードのオックスフォード大学で開かれた「第16回国際教父学研究集会 16th International Conference of Patristic Studies」において、研究代表者として研究発表を行ないました。学会初日の午前 (Aug 9) に、Prof. Karla Pollmann の司会のもとで行なった発表のタイトルは、つぎのとおりです。

  • N. Kamimura, ‘The Significance of the Sortes in Augustine’, 16th International Conference on Patristic Studies, Oxford University, Oxford: 8-12 August 2011.

ICPS 2011
ICPS 2011
前回に引き続いて参加した ICPS では、おなじく Christ Church に宿泊しましたが、場所は違って Meadow Building でした。古めかしい尖塔の3階、広さは2部屋もあって十分でしたが、部屋の床が緩やかに傾いていました。APECSS の Social Gathering が学会の最中にひらかれて、皆と旧交を暖めたのもよい想い出になりました。
肝心の発表は、論の焦点を上手く絞ることができたので質問も出てきましたし、テーマである sortes についてすでにこの領域の先達である Prof. William Klingshirn が発表の場にいて、発表後に質問を受け、また議論をおこなうことができました。

Conference talk @ Leeds

英国リーズのリーズ大学 Weetwood Hall で開かれた「第18回国際中世会議 IMC」において、研究分担者として発表をおこないました。学会2日目朝 (July 12) のセッション 517: Poverty and Wealth in Late Antique Christianity, I において、Prof. John Martyn の司会のもとで行なった発表のタイトルは、つぎのとおり:

  • N. Kamimura, ‘Augustine’s Spiritualisation of the Poor in an Era of Crisis’, 18th International Medieval Congress, Weetwood Hall, The University of Leeds, Leeds: 10-14 July 2011.

中世関連では、米国の通称カラマズーとならぶ巨大学会である IMC にはじめて参加しました。大会の組織運営は効率良く、学会内でのイベント諸々を楽しむことができました。また、日本からの参加者との交流もあって、福井からお出でになった岩熊氏とは、夕方芝生の上で談笑しながら、ビールを楽しみました。別の日にはギリシャからの参加者 Fotis とも意気投合し、夜遅くまで建物のなかのビリヤードルームで延々とビールを飲みながら議論しました。
Leeds 2011
Leeds 2011
Leeds 2011
昨今の大学改革の波は、英国でも変わりなく、リーズのこの美しい郊外のキャンパスも再来年には閉めてしまうそうで、その後の IMC は市内のキャンパスで開かれることがすでに決まっているとのこと、アクセスは良くなるのでしょうが、自然豊かな環境のなかでの交流の機会が失われてしまうのは残念です。

Conference talk @ Fredericton

カナダ・フレデリクトンの聖トマス大学で開かれた「カナダ教父学会 Canadian Society of Patristic Studies」年次集会において、研究代表者の上村が研究を発表しました。学会二日目 (May 31) の第5セッション Augustine において、Dr. Geoffrey Dunn の司会のもとで行なった発表のタイトルは、つぎのとおりです。

  • N. Kamimura, ‘The Exegesis of Genesis in the Early Works of Augustine’, Annual meeting of the Canadian Society of Patristic Studies, St. Thomas University, Fredericton, N.B.: 31 May-2 June 2011.

CSPS 2011
CSPS 2011
昨年秋に申請した新しい科研費プロジェクト「アウグスティヌスにおける聖書解釈の理論と実践」が無事採択されたので、計画にしたがって1回目の研究発表のため、CSPS に参加しました。今年はオクスフォード・イヤーなので NAPS が開催されず、日本からカナダの東端ニューブランズウィック州まで直行する旅程は大変でしたが、キャンパスは美しく、学会での討論も実りあるものになりました。

FY 2010 GASR Outcomes

2010年度に科学研究費補助金・基盤研究 C「転換期における「貧困」に関するアウグスティヌスの洞察と実践の研究 Augustine’s Understanding and Practice of Poverty in an Era of Crisis」の成果として公刊した論考は以下の通り:

  • 出村和彦「アウグスティヌスの「貧困」への関わりと「心」」『東北学院大学キリスト教文化研究所紀要』第28号、2010年、1–17頁.
  • K. Demura, ‘On the context and development of Augustine’s early commentaries on the Pauline letters’, SCRINIUM. Revue de patrologie, d’hagiographie critique et d’histoire ecclésiastique, PATROLOGIA PACIFICA SECUNDA (St Petersburg 2010) 120–129.

Seminar talk @ Brisbane

2011年3月3日に、オーストラリア・ブリスベンの ACU CECS において、オーストラリアの研究チームとの共同セミナー Joint Japanese-Australian Seminar on Crisis in Late Antiquity を開き、科研費の成果として発表をおこないました。セミナーにおける発表のタイトルはつぎのとおりです。

  • K. Demura, ‘Augustine’s heart-centered anthropology and the psychological reconfiguration of the community dealing with poverty’.
  • N. Kamimura, ‘Augustine’s Spiritualisation of the Poor in an Era of Crisis’.
  • P. Allen, ‘Crisis in the letters versus the Hymns of Severus of Antioch’.
  • B. Neil, ‘Crisis in the Libri Pontificales of Rome and Ravenna’.

Brisbane 2011
私の発表は、すでに発表をすることが決まっている 2019 International Medieval Congress @ Leeds の前哨戦というかたちで、貧困に関するアウグスティヌスの言説の基本動向をまとめたかたちになりました。科研費プロジェクトも最終年度にはいるので、これまでの成果をまとめるための準備にとりかからなくてはなりません。