基盤研究C 2021–2023「研究計画」

古代哲学史研究への新たな視座─「教導」の体系に関するアウグスティヌスの洞察


2021年度

作業 – 1 問題 A 考察
アドの主著 Exercices spirituels et philosophie antique (Paris, 1987) と フーコーの主著 L’herméneutique du sujet: Cours au Collège de France, 1981–1982 (Paris, 2001) において「自己」概念がいかにテクストに読み込まれているか、主としてアドの研究の出発点となったマルクス・アウレリウス解釈に焦点を合わせて検討する。本作業は批判対象とするテーゼの所以を解明するので優先される。その進捗によっては作業 – 2 を次年度に延期する。フーコー研究を中心に二次文献も検討する。
作業 – 2 年度後半から問題 B 考察
作業 – 3 の準備のために問題 B に関するこれまでの発表成果をまとめるとともに、ルーヴァン・カトリック大学において資料調査を実施する。

2022年度以降

作業 – 3 問題 B 考察
テクスト 1 とテクスト 2 の分析に順次取り組む。
作業 – 4 年度後半から問題 C 考察
テクスト 1 とテクスト 2 の分析に順次取り組む。 本作業は研究計画の中心となる工程であるので、次年度前半にわたって遂行される。
作業 – 5 問題 B と問題 C を包括的に考察(2023年度)
さらに、問題 A の考察から示されたテーゼの克服を目指し、「教導」における導く者と導かれる者の社会的な紐帯に着目し、アウグスティヌスのテクストがいかに「生き方」を基礎づけているか、その論理を考察する。